いりやの備忘録

映画の感想をすぐ忘れる気もするからつらつら書いてみようかなと思いついた。

The Beguiled 欲望のめざめ

 

字幕 戸田奈津子

68点

 

ざっくりストーリー。

 

森でキノコを採っていた少女エイミーは負傷兵をみつける。

北軍の兵士。でも負傷している。

 

心優しいエイミーは恐れながらも、苦しんでる兵士を自分の学んでいる女子学園へと連れて行くことにした。

 

南北戦争末期、南軍の形勢は不利であった。学園の生徒は疎開し、残るのは行く宛のない子と学園長と先生。

 

エイミーが連れてきた北軍の兵士、他の皆も恐れはするものの相談の結果、慈しみの心に則り傷が癒えるまでは、置いてあげることにきめた。

 

学園長は脚に突き刺さった幾つもの銃弾を取り出し脚をブランデーで消毒しつつ縫合。

兵士は一命を取り留め徐々に回復していった。

 

大人の男に興味深々な小娘たちと先生と学園長。

子供は大人に隠れて彼と話し。大人もこっそり彼と話す。

ビッチじゃなかった、おませなアリシアは彼にキスを。エイミーとは友達で、先生はアイシテル。

皆と徐々に打ち解けてゆく彼。部屋の鍵は解かれ、礼拝や食事にも参加するようになった。彼も恩返しとばかりに庭の作業を手伝う。

 

ある日、先生は今晩待ってると彼に言う。しかし彼は来ず、騒がしいと思い生徒の部屋を早く寝なさいとあけるとそこには彼とビッチのアリシアが。

彼は違うんだと先生に詰め寄るも癇癪で階段から突き落としてしまう。

彼の脚の縫合は破れ、骨は砕けた。

処置をする学園長。救うには脚を切断するしかない。

 

暗転、皆で埋葬。

 

したのは脚。目覚めた彼は絶叫する。何故切った!お前たちは悪魔だ!死んだほうがマシだ!

 

逆上した彼は皆を恫喝し、脅し、銃を持ち出す。

 

学園長はエイミーに兵隊に通報の印を見えるように指示するも彼に見つかり乱暴されそうになる。

 

部屋に戻る彼、追う先生。抜け駆けしようと先生は自分でドアを塞ぎ彼を誘う。

 

その隙に彼について話し合う。追い出す?出ていってくれるわけがない。気に吊るす?そんな酷いことをできる訳がない。彼はキノコが好物だったよね?そういうキノコを探して食べさせれば。探せる?探せる。

 

キノコ探しの達人のエイミーはそういうキノコを探して、夕食にバターとワインで炒めたキノコを。

今までありがとう、彼に伝えて最後の晩餐をする。

突然苦しみだす彼。息ができない。息絶える。

 

白い布で人を包み縫い付ける皆。

門に青い布を結び、人の形をした布を門の外へ出して皆でそれを見送るシーンで終わり。

 

感想

 

どうやら原作小説の二度目の映画化らしい。ポスターに惹かれ、監督のコッポラさんってと思ったらソフィアの名。娘さんらしい。

少ない登場人物と無駄のない展開、90分くらいの尺と見やすい映画だった。

光の使い方とかカメラは若干説得力が無かったかな。あとクロマキーが気になった、このくらいならロケハンすればいいのに。古風な同じ構図のカットを何度も使うやり方、学園のセットや様式とかは好きだった。

音楽は彼女達が歌う所、ピアノやヴァイオリンを弾くとこのみ。セリフも少なめで表情や芝居で魅せようとする感じ。

ニコール・キッドマンの学園長は良いお育ち、彼は気になるものの女からそんな迫るなんてはしたない。先生は彼に口説かれいい気になり、逆に肩見せで誘い。エイミーは純粋に。アリシアはおませ。

皆彼のことは気になるから視線や態度、服装で誘惑と互いの牽制、でもあくまでお上品に。淑女らしく。ところどころにあるフラ語を使ったお遊びは微笑ましい。

19世紀半ばのなんてこと無い田舎のちょっと戦争に疲れた人のささやかな幸せと不幸をうまく描いてたと思う。

何事もなかったかのように明日からを過ごすのだろうな。エイミー以外は……。可愛そうなエイミー。

 

 

 

最後に一言。閉鎖世界の女ってクソだな!