ヴァレリアン 千の惑星の救世主
字幕 訳 川又勝利
80点 正統派の近未来宇宙SF
ストーリー
人類は国際宇宙ステーションを建設し、建設し、増築し、異星人との交流も始まり、和を広げ、千年の時が経った。
軌道上に留まれる限界質量を超過したため、ステーションアルファは太陽系外縁へと旅立つ。
それはそうと、綺麗な海と空を持つ惑星に住む人々は、今日も平穏な日々を送っていた。
しかし突如として空から降り注ぐ巨大な宇宙船の残骸、墜落した宇宙船を調べている最中惑星一つを滅ぼすのに充分な質量を持った母船が墜落。惑星は滅んだ。
という夢を見たヴァレリアンは仮想現実のビーチで起きる。
相方のローレリーヌと目的地への航行中であった。ローレリーヌを口説こうとするも相手にされない。落とした女リストの一人になんてなりたくないとけんもほろろに。
そんなやり取りをしつつコックピットで操作をして目的の惑星へ。現地協力員と合流し亜次元デパートでの違法取引摘発を行う。
冒頭で滅んだ異星人が飼っていたペットの入手を違法業者に依頼していたようだ。しかし違法なのでペットはヴァレリアン達が回収。無事にショッピング惑星を脱出する。
回収物のペットは惑星ミュールの原生生物、しかしミュールは3年前に滅んだ。何故滅んだかは最高機密の為アクセス出来ず、不審に思うも帰路へ。
アルファコロニーに戻ったヴァレリアン、次の任務はコロニーの中心地に異常な空間があり、今まで送った部隊は全滅。これをどうするかの会議に上官と共に出る。
しかし会議中ミュール人の襲撃を受け、全員瞬間接着ボンドみたいな液体を発射する銃で固められてしまう。そしてペットを持っていると思われた上官は誘拐される。
なんとかボンドから脱出したヴァレリアン、宇宙船に乗り込みミュール人の宇宙船を追うも目的地はどうやら中心地の方らしい。ヤバイと思いつつも戦闘機に乗り換え追っていく。
入り組んだ迷宮内、カーブを曲がりきれず通信途絶。
ローレリーヌはヴァレリアン救出に向かう。位置の特定のために、記憶を無理やりテレパスするクラゲを取りに海獣が巣食う水中へ行き、ヴァレリアンの位置を特定。
合流したところで今度はローレリーヌが下品なモンスターに捕まってしまう。
ヴァレリアンは擬態の得意な異星人に協力を求めるため娼館へ。主の接待を受けつつ交渉をするも上手く行かなかったので気絶させ、異星人と共にローレリーヌ救出へ。
ローレリーヌは白いドレスを着せられ給餌をさせられていた。と思ったらご飯はローレリーヌの脳みそ。
これはやべぇ!とモンスターの王をサックリ殺して親衛隊をなぎ倒しながらゴミシュートから脱出。
異星人はこの際怪我をしてしまい塵に。さて、問題の中心部に向かう。
ミュール人と交渉、実は惑星ミュールは上官が条約を無視し、戦争相手の母艦に惑星への危険が及ぶことを承知で攻撃をしたため滅んだ。
上官は生き残りが中心部にいることに勘付き危険地帯に指定、隠蔽のため今度こそ根絶やしにと言うことだったらしい。
なんだ、上官悪いやつじゃんって事でボコしてミュール人を助ける。
何だかんだバディとしての絆が芽生えてヴァレリアンとローレリーヌは婚約して宇宙船の中で愛し合うとこでEND。
感想
多種族が共同体として暮らす未来が舞台のオーソドックスなSF。地球はほぼ出てこない。
ワープシーンの表現や地面を抜けるときに色々な所を層で通過するのは先にマーベルとかDCにやられてしまっているけど映像として楽しめたしコメディ調で上手く嵌っていた。
青い肌でヒューマノイド型でありながらも人間とは違う造形のミュール人は、美的感覚で好感を得やすい美しいデザインで感情移入しやすく、物語のキーとしてキチンと機能していた。
ストーリーとしてもなんてことの無いバディ物の活劇なのだが全体的なコメディ調と綺麗な映像で見やすく楽しい仕上がりだった様に思う。
フランス主体の5カ国合作映画らしいが、フランス映画特有のなにやってるかわからんシーンはなくこういう物を作る!っていう統一感があってよかった。
金ローとかでやるならぜひまた見たい。